「昨日からよく足の裏を舐めています。」
「歩き方は普通で、痛そうではありません。」

ワンちゃんが来院されました。

「散歩の後から舐めています。」
「右の前肢だけを舐めています。」

足の裏を最後にして全身の身体検査です。
特に皮膚をよく観察します。

眼の周り、唇、脇の下、肘の内側、下腹部、陰部周り

何処にも異常は認められません。


右の前肢以外の足の裏はどうでしょうか？





異常ないようです。


では右の前肢です。





確かに赤くなっていて、舐めてる様子がうかがわれます。

注意深く触診してみましたが
爪や骨を痛がったり、異物が刺さっていたりはしていません。

赤い所をセロテープでペタペタして、それを染色し顕微鏡で観察します。
細菌と白血球が認められました。

散歩の後からと舐めていることから
何かを踏んだりして気になって舐めすぎて皮膚炎をおこしたようです。

治療しても再発を繰り返す時や、他の足にも症状が出る時、
あるいは顕微鏡の検査でマラセチア（酵母様真菌）が見つかる時などは
アレルギーの症状の1つではないか検討が必要です。