ならしの動物医療センター

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report 症例報告

ネコちゃん痛がってませんか? 痛みのサイン

2026.07.02

予防注射やお爪切りで来院された際にお変わりありませんかとお尋ねすると

「特に変わらないけどお年のせいか寝てばかりいます」
「昔ほど遊んでくれなくなった
「最近怒りっぽい

こんなお答えをいただくことがよくあります。

ネコの語源は「寝子」(諸説ありますが)と言うくらい寝てばかりいるものだし

お年を取れば誰だって子供の時ほど遊びません(遊んでばかりの人もいるかも知れませんが)

でもそれが実は痛みのせいだったら可愛そうですね

ネコちゃんもワンちゃんや人のようにお年を取ると関節が痛んでくる子がいます変形性関節症(OA)と呼ばれる状態です

ある調査では12歳以上のネコちゃんの90%に関節症が見つかった(特に肘や腰に多かったそうです)と報告しています

別の調査では6歳以上で61%、14歳以上で82%という報告もあります

このネコちゃん達は痛みで病院に来たわけではなく

下痢や嘔吐、体重減少などでレントゲンを撮ったらたまたま見つかったそんなネコちゃん達が多数含まれています

トイレの粗相を気にしてご来院される方もいます

オシッコや胃腸のトラブルで粗相する子もいますが段差が辛くてトイレに入れないず失敗する子もいます

しゃがむ姿勢を上手に取れず時間がかかっていませんか?

排便せずに止めちゃうのはホントに便秘でしょうか?

高いところに登れなくなったり登ることをためらったり

着地に失敗したり、飛び降りるのをためらったり

お年で運動機能が落ちた子や視力に問題がある子もいるでしょう

でも関節が痛かったり、関節の可動域(曲げ伸ばしできる範囲)が狭まっているからかも

昔と同じ高さまでジャンプ出来ますか?

飛ぶ前にためらって何秒か見つめていませんか?

飛ぶのをあきらめたりしませんか?

飛んでみたけど失敗が増えていませんか?

着地後ふらついたり歩き始めるまでに時間がかかっていませんか?

低いお皿から休み休み食べていませんか?

肘が痛いと体が支えられなくなります

きちんと毛づくろいしてますか?

短毛種なのに毛玉が出来たりいしていませんか?

口内炎などで口が痛くて毛づくろいをしない子もいますが腰を丸めるのが辛いのかも

逆に痛いところを舐めすぎて禿げてしまうこともあります。

爪とぎするのもしっかり踏ん張らなければいけません

怒りっぽくなっていませんか?

身体を触られたくないのかも、引っ込み思案になるのも同じ理由かもしれません

寝てばかりいるのはお年のせい?

動くのが辛いのかも

製薬会社ゾエティスさんのパンフレットの一部です

 

変形性関節症(OA)はお年を取ると増えてきます

では痛み止めのお薬はどうでしょう?

今までの消炎鎮痛剤(NSAIDs)は長期に使うと腎臓に負担がかかることがあります

そう高齢のネコちゃんの大敵腎臓病です

国際猫医学会(ISFM)や全米猫獣医師協会(AAFP)がネコちゃんのNSAIDs長期投与に関するガイドラインをだしています

ざっくり言うと「出来るだけ少ない量で慎重に投与しましょう」です

それによって長期間NSAIDsを使用できるケースもありました

今はNSAIDsとは違う抗体薬と呼ばれる痛み止めもあります抗NGF抗体製剤

こちらは腎臓に負担がほぼ無いと言われています

NSAIDsで気になる胃粘膜のトラブルもほぼありません
月1回のお注射なので投薬ストレスがありません

ではお年を取って老けたと感じたら月1注射をしておけば良いのでしょうか?

今更ですがその不調ほんとに関節症ですか?

ホルモンの病気ではないですか?

内臓の病気ではないです?

まさか腫瘍なんてことは!?

先ず検査で原因をはっきりさせましょう

関節症以外の他の問題がないことを確認しましょう

注射、内服薬、サプリメント、生活環境の改善してあげられることがたくさん見つかるかも

体重管理も若いうちから大切です

太る→関節を痛める→動かないから関節が固まる→更に動かなくなり太る→。。。。。

負のスパイラルになってしまいます

歩き方の異常で病院にくる変形性関節症のネコちゃんは多くありません

ワンちゃんほど歩き方の異常が目立たないからです

ゾエティスさんのウェブサイトには色んな動画もあります

是非チェックしてみてください

 

 

 

もしかしてうちの子もと思われた方はいつでもご相談ください

 

獣医師 髙橋