ならしの動物医療センター

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report 症例報告

マラセチア

2026.07.21

マラセチアは犬や猫の皮膚や耳に普段から存在している常在菌の一種で、酵母様真菌(酵母菌)に分類されます。

何らかの理由でバランスが崩れると急激に増殖し、皮膚炎や外耳炎を引き起こします。

 

 

《マラセチアが増えてしまう主な原因》

皮膚のバリア機能の低下  (アトピー性皮膚炎、アレルギー、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症など)

皮膚の防御力が弱くなると、常在菌のバランスが崩れやすくなります。

過剰な皮脂の分泌

マラセチアは皮脂を栄養源としているため、皮脂が多いと増えやすくなります。

高温多湿な環境

特に梅雨〜夏場は増殖しやすく、再発も多く見られます。

体質や犬種の特徴

シーズー、ミニチュア・シュナウザー、アメリカン・コッカー・スパニエルなど皮脂が多い犬種は発症しやすい傾向があります。

 

《主な症状》

赤み

痒み

色素沈着

脱毛

皮膚のベタつき

独特な臭い

症状が出やすい場所は、耳、口周り、指の間、脇、内股など、蒸れやすい部分です。

動物は痒みが強いと、舐めるだけでなく噛んだり引っ掻いたりしてしまい、傷から細菌感染を併発することもあります。

 

指の間が赤くなっています。

 

 

《診断方法》

症状が出ている皮膚の表面や耳垢を採取し、顕微鏡でマラセチアの増殖を確認します。

染色すると濃い紫色に染まり、ピーナッツ雪だるまのような特徴的な形をしています。

 

ぽつぽつとマラセチアがいます。

 

 

《治療方法》

薬用シャンプーによる治療

クロルヘキシジンやミコナゾールを含む薬用シャンプーが効果的です。獣医師の指示に従い、定期的にシャンプーをすることで症状の改善が期待できます。

保湿ケアの併用

シャンプーを頻繁に行うと皮膚が乾燥しやすくなるため、必要に応じて保湿剤を使うことが大切です。

原因へのアプローチ

マラセチアが増えた背景に病気や体質がある場合は、その治療や管理が重要です。例えば、食物アレルギーが原因なら、食事を変更することで改善することがあります。

その他の薬

症状の範囲や重症度によっては、抗真菌薬や抗生剤の飲み薬や塗り薬を併用します。

 

《再発予防》

マラセチア性皮膚炎は再発しやすい病気です。

症状が改善した後も、

定期的な薬用シャンプー

耳のケア

皮膚の状態に合わせた保湿

原因となる病気の管理

などを続けることで、再発を防ぎやすくなります。

 

獣医師 楠