習志野動物医療センター りょう動物病院

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sick 主な病気

子宮蓄膿症

2018.06.20

エコーで見た子宮摘出中の子宮と卵巣です。

左 エコーで見た子宮です。
正常な犬の子宮は通常、エコーで見つけることは困難ですが、この症例では子宮内腔にやや高エコーな液体の貯留が認められます。
右 摘出中の子宮と卵巣です。子宮の内部に膿がたまっているため腫れています。

 

陰部からの排膿を確認し、腹部エコー検査により子宮蓄膿症と診断して緊急手術を行った症例です。
子宮蓄膿症とは、子宮の中に細菌が繁殖して膿がたまってしまう病気で、避妊手術を行っていない高齢の犬にしばしば発生する病気で、生理後に発症することが特徴です。症状は陰部からの排膿、元気・食欲の減退、多飲多尿、嘔吐などがあります。放置しておくと細菌が全身にいきわたり、腎不全、心不全、ショック、DIC(血液凝固不全)、腹膜炎などの合併症を引き起こし、死に至ります。
治療法にはホルモン剤等を使用した内科療法もありますが、第一選択は子宮卵巣摘出術であり、この症例にも手術を適応し、元気に退院しました。