習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

鼻腔内腫瘍 猫

2021.08.31

本日の症例は、推定10~11歳の日本猫の症例です。

今年の4月頃より、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの風邪症状を発症し、かかりつけの病院で治療をしておりました。

その後、鼻出血の症状を間欠的に認め、鼻づまりなどの症状も悪化し、2ヵ月前頃より鼻梁部(鼻のあたり)が徐々に腫れてきたとの主訴で、当院に来院されました。

来院時の顔貌です。

明らかに鼻梁部が腫脹しており、レントゲン画像でも腫脹部の骨が溶けておりました。

ウイルス検査では、猫免疫不全ウイルス抗体も陽性でした。

飼い主様とご相談の上、腫瘍、真菌感染などを疑い、後日CT検査、腫脹部の生検、真菌培養検査をすることになりました。

CT検査では、鼻腔内全域で占拠性病変を認め、隙間がほとんどない状態でした。真菌培養検査は陰性。

腫脹部の生検の病理検査結果は、リンパ腫でした。猫の鼻腔内腫瘍で、一番多く認められるのはリンパ腫です。

腹腔内は、超音波検査でも、CT検査でも異常所見は認められておりません。

結果を飼い主様にインフォームし、抗癌剤治療および放射線治療を組み合わせてするかどうかご相談中です。

 

獣医師 田中