習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

高脂血症

2022.05.26

高脂血症は、脂質の輸送や代謝に障害があることによって、
血液中に中性脂肪(トリグリセリド)やコレステロール、またはその両方が高値を示す状態を指します。

心臓疾患の他に、犬で危険性のある状態として、トリグリセリド値が高値(500mg/dl以上)の場合は
急性膵炎を誘発するリスクがあるため治療が必要になります。


コレステロールの方は緊急性は無い事も多いですが300mg/dlを超えると
角膜の脂質沈着や脂肪肝、急性膵炎などを起こすリスクが上昇します。


高脂血症を引き起こす原因として、
M・シュナウザーの高トリグリセリド血症・シェルティーの高コレステロール血症、
糖尿病、クッシング症候群や甲状腺機能低下症等の内分泌疾患、
慢性腎不全やネフローゼ症候群等の腎疾患、
胆管閉塞のような肝疾患、あるいは肥満等の可能性を考える必要があります。


治療法ですが基礎疾患がある際はその治療を優先して行います。
食餌内容の変更(低脂肪食)、ストレスの軽減、適切な運動などの治療も必要になります。


 IMG_1991

赤い血球成分の上は本来無色透明な液体になりますが、高脂血症によって白濁している血液です。

獣医師 古田