習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

落葉状天疱瘡?

2017.12.22

本日の症例は耳の傷が治らないという猫ちゃんです。

耳のジュクジュクした部分をスタンプ検査したところ


HA212237寺井ジュピ


未変性好中球がたくさん確認できました。


HB052240寺井ジュピ


棘融解細胞とそれを取り囲むように未変性好中球が認められました。

このような所見と、中齢で起きやすいということ、
ジュクジュクした部分ができた場所から落葉状天疱瘡が疑われました。


落葉状天疱瘡とは自己免疫疾患で、
細胞と細胞をくっつけている物質が障害されることにより皮膚や粘膜に水疱、
膿疱、びらんが認められるのが特徴的です。


猫の落葉状天疱瘡では鼻部、耳介、
爪の付け根の周りなどに膿性滲出物や痂皮の形成が見られるのが特徴的です。

自己免疫疾患なので治療は免疫を抑制する薬を用いて治療します。


パンチ生検(皮膚をくり抜く生検)で病理組織学的検査による確定診断を行ったのち、
免疫抑制剤などを用いた治療を始めます。