ならしの動物医療センター

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report 症例報告

腎臓病の子にとって「水分」はお薬と同じくらい大切です

2026.03.19

慢性腎臓病のワンちゃんネコちゃんは、大量の薄いオシッコが出るため普通に生活していてもじわじわと脱水しやすいです。

 

定期的に点滴をしているワンちゃんネコちゃんも多いと思います。
実はこの脱水、点滴だけでは補えない部分があることをご存じでしょうか。
点滴で血管の中に水分を入れてあげることは可能です。それは皮下点滴でも。

 

ただ細胞の中の水分を満たすには

“飲む水”

がとても大切です。

 

毎日の飲水量を増やす工夫が、腎臓病の子の体調を守る大きなポイントになります。

では飲水量を増やすにはどうしたら良いでしょうか。

 

食餌から水分をとる

ドライフードはその10%くらいが水分、ウェットフードは70~80%。
ドライフードの約6~8倍の水分が含まれています。
可能ならさらにぬるま湯を足す。これで食べながら自然に水分がとれます。
ただあんまり水っぽいフードは嫌がる子もいるので要注意です。

ドライフード派はふやかして。
ぬるま湯でふやかしたり、さらに水を足しておじや風にも。

水をおいしくする

飲み水に「ちゅーる」などのペースト状おやつを溶き入れる。
薄く溶くだけでも飲水量が増えます。
ショップで売ってるペット用飲料水が好きなワンちゃん、ネコちゃんもいます。

 

水飲み場の工夫

家の中の数カ所に置きましょう。お水を飲みに出たわけではなくても見つけたら飲んでくれるかも知れません。
プラスチックの器から陶器に変えるだけで飲水量が増える子もいます。
水入れの高さを変えてみましょう。
温度を変えてみましょう。冷たいのが好きな子も温かいのが好きな子もいます。

 
このあとは特にネコちゃんについてです。
ネコちゃんの中には食器にヒゲが触れるのを嫌う子もいます。大きな器にしてみましょう。
また「食べる場所」と「飲む場所」を分けたい子もいます。並べて置いても良いですが離れた水場も用意しましょう。
中には流れる水が好きな子もいます。
またトイレ同様に落ち着いて水を飲みたい子には人から見られない物陰に水皿を置くのも良いかも。
水を飲みながら後ろをキョロキョロ気にしているようなら壁から水皿を離してみてください。
壁と水皿の間に入ることで背中を壁に預けられると安心してゆっくり飲めるかも。
そうゆう子は台の上に水皿を置くことで見晴らしがよくさらに安心するかも。

十分な水分でしっかりケアしていきましょう。

 

獣医師 髙橋