習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

片側吻側下顎骨切除

2018.11.29

10月末に吐血を主訴に来院されたワンちゃんです。

肝臓に低悪性度の腫瘍を持ちながら3年以上も元気で頑張っているコです。
そのため軽い貧血を持っているワンちゃんです。

血液検査の結果は普段からある肝酵素の上昇以外に
貧血の進行と血中尿素窒素(BUN)の上昇が認められました。

消化管出血を疑い、内視鏡検査で麻酔をかけた際に歯肉に小さなしこりを発見したため、
パンチ生検を行いました。

由来不明の未分化悪性腫瘍と病理検査では診断され、
腫瘍の外貌や位置から悪性黒色腫の可能性が考えられるとコメントがありました。

悪性黒色腫は外科手術では根治困難ですが、しこりを残したままにしておくと
口臭やよだれ、採食困難など生活の質の低下が問題となるため、切除手術を行いました。

腫瘍は下顎骨に浸潤していたため、顎の骨も一緒に摘る必要がありました。

腫瘤は手術を行う際、半月前に検査した時よりも数倍大きくなっていました。

下顎の切除を行い、しばらくは傷口保護のため口からの食事ではなく、食道に管を入れそこから栄養補給を行います。

病理組織検査では骨肉腫と診断されました。