習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

水晶体脱臼

2017.12.21

眼をカメラに例えた時にレンズに相当するのが水晶体です。

そのレンズが外れてしまった状態が水晶体脱臼です。


IMG_2404

前日まで下の写真の様に白内障で真っ白だったのですが

白内障

気付いたら上の方が黒くなっていたそうです。

水晶体脱臼の原因として
・先天性
 多くは他の複数の異常と伴に生まれつき現れます。
・外傷性
 脱臼するほどの外傷では眼内出血など他の障害も現れる事が多いです。
・続発性
 眼内腫瘍、緑内障、白内障、慢性ブドウ膜炎など。

この子は眼科検査で炎症、出血、眼圧の異常がなく
腫瘍を疑う所見も認められなかったため
白内障に続発したものと思われます。


虹彩の前に脱臼すると
緑内障の原因になったり
ブドウ膜炎を引き起こしたり
角膜の浮腫みが出たりと合併症の恐れがあるので
水晶体の摘出手術を行います。

この子の様に虹彩の後ろに脱臼した時は
合併症が起きづらいので経過観察になります。

時に瞳孔を通って前方に移動することがあります。
その時は後方に押し込むか
あるいは手術で水晶体を摘出します。