習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

悪性黒色腫 

2021.11.16

今回の症例は19歳9か月のポメラニアンです。

口にできものができてどんどん大きくなってきたとの事でご来院されました。

初めて気が付いたのは1カ月前くらいでその時は小さいぷつっとしたできものだったそうですが、

どんどん大きくなり、ご飯も食べにくくなってきたとのことでした。

 

ご来院された際には約3センチほどの大きな腫瘤になっていました。

歯を巻き込むように腫瘤ができています

 

通常であれば、針で細胞を採ったり部分的に切除をしたりして検査センターに送り、

どの様な腫瘤なのかの確認をしてから手術を実施しますが、

今回の症例では19歳9か月と高齢であること等を考慮して飼い主様と御相談した結果、

どのような腫瘤なのかの検査をしてからの根治を目的とした手術ではなく、

生活の質(QOL)をあげること(主に食事を自分で食べれる様にする事)を目的とした下顎切除を実施しました。

 

切除した下顎の病理検査の結果は悪性黒色腫(メラノーマ)という悪性の腫瘍でした。

悪性黒色腫は色素細胞が癌化する事で生じる腫瘍で

今回の症例の様に高齢のイヌの口腔に出来ることが多い腫瘍です。

 

この症例の術後のQOLはかなり向上し、手術前の2倍ほどの量のごはんが食べられるようになったそうです。

 

獣医師 後藤