習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

巨大結腸症

2017.12.22

本日の症例は ぐったりして元気食欲の無いネコちゃん、
飼い主さんによると便が出ていないそうです。


便秘は結腸という消化管の最後の部分の動きが悪くなったり、
細くなったり、何かに押されたりすると起こります。

原因は様々ですが、長期間糞便が停滞すると持続的に水分が吸収され、
便は大きく硬くなり、排泄が困難になります。


大きくなった糞便は結腸を広げ、結腸を動かす平滑筋やその神経に障害を与え、
より一層動きが悪くなります。 このような病気を巨大結腸症と呼びます。


ネコちゃんは原因不明の特発性巨大結腸症になることが多く、
便秘が続くと脱水症状や食欲低下を引き起こし、元気が無くなってしまいます。


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これは巨大結腸症になってしまったネコちゃんのレントゲン画像です。
白くゴツゴツとした塊が便です、大きさは正常な結腸の太さの2倍ほどになってしまっています。


また、このネコちゃんは馬尾症候群という脊髄の病気も疑われ、
それが原因となっている可能性も考えられます。
 
このネコちゃんはサプリメントや便を柔らかくするお薬を与えても便秘になってしまうので、
本日は浣腸を行いました。スッキリしてくれてよかったです。