習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

マイボーム腺機能不全

2017.12.22

 

本日の症例は、目が赤く、涙と目やにが多く出るということで来院されたワンちゃんです。

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マイボーム腺の開口部に分泌物がプラグ状に存在し、白くプツプツしたものが見えています。


目の構造


マイボーム腺とは、涙が蒸発するのを防ぐための脂質を分泌する腺のことで、
涙液膜を維持するために重要です。

マイボーム腺から脂質が分泌されることで、涙が眼瞼からあふれることを防止しています。

このようにマイボーム腺からの脂質の分泌が障害された状態をマイボーム腺機能不全といいます。

完全に瞬きできないと発症しやすく、短頭犬種によくみられます。

涙液の脂質が十分でないため、涙液膜の形成が維持されず、涙液の蒸発が起こり、
涙が眼瞼からあふれてしまう原因となります。

マイボーム腺機能不全では、マイボーム腺の炎症や腫大を起こすことがあります。

マイボーム腺から分泌される脂質は白く硬くなり、マイボーム腺の萎縮が生じることもあります。

治療としては、マイボーム腺を圧迫して変性した分泌物を絞り出す方法や、
眼瞼を蒸しタオルで温めて固まった分泌物を溶かす方法、
また眼瞼の縁を清潔なコットンで拭くことにより角化組織を取り除き、
開口部を開く方法(この方法はマッサージ効果も有する)などがあります。