習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

エマージェンシー

2017.12.20

診察台の写真です。

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何がおきたのでしょうか。

朝、スタッフの出勤と同時に電話が鳴りました。

「昨夜からずっと呼吸が荒く、咳をしています」
「今朝になってコポコポ音がしています」

心臓病で治療中のワンちゃんです。

診療開始前ですが直ぐに来院して頂く事になりました。

10分程で到着された時にはワンちゃんはぐったりしています。
診察台に乗せると同時に口から多量の液体が出ました。
それが冒頭の写真です。

肺水腫です。
チアノーゼが出ていて呼吸も不安定です。

血管拡張剤を口腔粘膜にスプレーし口腔内の液体を拭い取り直ぐに気管挿管です。

人口呼吸を開始し血管に点滴のルートを確保、利尿剤の静脈注射をします。

幸い心停止はしておらず数分で舌の色も良くなってきました。



数分で呼吸も安定し、意識も回復したため気管チューブを抜きました。
抜管直後に悪化することも多いのですがこのコは安定していたため酸素室に移されました。


電話を受けた時点で治療の準備を始めていたので
命を救うことが出来ましたがとても危険な状態でした。


事前に電話をもらっていなければ
診察時間まで待っていたら
心臓病のワンちゃんだと知らなければ
救うことが出来なかった可能性のある症例です。