ならしの動物医療センター

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report 症例報告

膝蓋骨脱臼

2017.12.23

本日の症例は、後肢を引きずるような歩き方をするという事で来院されたワンちゃんです。

触診したところ、膝蓋骨脱臼であることがわかりました。
 

膝蓋骨脱臼とは、後ろ足にある膝蓋骨(膝のお皿)が
正常な位置からはずれ跛行などの症状をおこす病気です。


先天性のものでは、生まれつき後肢の関節の周りの筋肉や骨の異常等が存在し、
加齢と共にこれらの異常が進行し、発症します。遺伝的な要因が疑われています。


後天性のものでは、打撲や落下など外傷性の原因で膝蓋骨周囲の組織に障害が生じたり、
骨に関連する栄養障害などによって骨の変形が生じ、発症します。


脱臼の程度により4段階に分類されます(グレード1〜4)。

グレードにより症状の程度は異なりますが、足の痛みや腫れ、
脱臼した足を挙げて3本足で歩く(挙上)などの症状がみられます。


先天性の場合、習慣的に脱臼し、ほとんど痛みを訴えない事もあります。
長期化すると膝の周りの筋肉が落ちてしまう場合もあります。

治療は膝蓋骨を正常な位置に戻す手術を行います。
ただし骨の変形が重度の場合は手術に適さない事もあります。
膝に負担をかけない事が病気の予防や手術後の再発防止として重要です。

滑りやすい床にはじゅうたんやマットを敷くと良いでしょう。
また、先天性の膝蓋骨脱臼を持つイヌは繁殖させないようにする事が推奨されます。 


にしかたもこ

今回の症例では左の膝蓋骨が外れています。

グレード3(膝蓋骨は常時脱臼した状態。手で押せば正常な位置に戻るが、
話すと再び脱臼する)ですので、外科手術が適応になります。