ならしの動物医療センター

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report 症例報告

糖尿病性ケトアシドーシス

2017.12.14

現在糖尿病ケトアシドーシスでインスリン治療中のねこちゃんが入院中です。
糖尿病性ケトアシドーシスとは糖尿病の進行した状態のことを言います。

猫の糖尿病は、ホルモンの一種であるインスリンの働きが悪くなるもしくは
膵臓からの分泌が少なくなる病気です。
インスリンは膵臓から分泌されており、食べて吸収した血液中の糖を細胞内に
取り入れる働きを持っています。この機能が失われると血液中の糖分が
細胞内に取り入れられず「食べているのに栄養が細胞まで届かない」状態になります。
膵炎を併発している例も多々あります。

これらが進行すると…
■食べても食べても痩せていく・毛並みが悪くなる
■血糖値が高い状態が続くことでよく水を飲みよく尿をする
■脱水して食欲が低下する
■時に肝臓の腫大により腹部がふくれる
■高血糖による腎臓への負担が蓄積し、腎不全になる

さらにこの状態が続くと…
食べて吸収した栄養が細胞に届かない事で細胞は「栄養が足りない」と勘違いします。
そうすると「蓄えておいた脂肪を分解・燃焼しエネルギーにする」ように体が反応します。
脂肪の分解が多くなると分解によってケトン体というものがおまけとして産生されます。

このケトン体がとても有害で、強い酸性物質になります。
体に蓄積することで体が酸性になり「ケトアシドーシス」という致死的な病態へ
進行してしまいます。アシドーシスとは酸性状態を意味する言葉です。

現在入院治療中の子はケトアシドーシスになってしまったので、
インスリン治療による血糖値管理と
アシドーシスの補正(体を酸性から弱アルカリ性に戻す)、
乱れた体液バランスを厳密に調節する点滴治療を行い、一週間。
やっと血糖値が安定し、食欲元気も出てきました。

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今日午後の血糖値です。ようやく300前後に安定して来ました(^^)
糖尿病に関してはまた後日・・・