習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

フィラリア

2017.12.22

本日の症例はフィラリアに感染してしまったわんちゃんです。
血液中にフィラリアの子供(ミクロフィラリア)がみつかりました。


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静止画ではわかりづらいですが、実際に見るとうねうねと動いているのですぐにわかります。
 
 フィラリアは蚊が媒介する感染症で、蚊がフィラリア症の動物を吸血し、
その蚊が健康な動物を吸血することで感染します。

別名犬糸状虫とも呼ばれ、感染するのはわんちゃんが代表的ですが、実はねこちゃんにも感染します。 

感染すると動物の体の中で成長し、最終的に心臓の血管に寄生します。 

症状は咳をしたり、疲れやすくなったり、呼吸困難などになります。
心臓、肺、肝臓、腎臓など幅広い臓器に障害を与えると言われていて、
重症化すると亡くなることもある恐ろしい感染症です。


 治療法は血管の中に先にはさみのついているワイヤーを入れてフィラリアを摘出したり、
薬剤を用いてフィラリアを倒す方法などがあります。
しかし、血管の中で大量のフィラリアが死ぬと、血管が詰まったり、
アレルギー症状を引き起こすため、十分な注意が必要です。 


近年フィラリア自体に感染しているボルバキアという細菌が注目されています。 
ボルバキアはフィラリアの成虫の繁殖能力や、アレルギー症状に関与していると考えられています。

なので、フィラリア症の動物にボルバキアを倒す抗生剤を投与することで、
徐々にフィラリアの子供(ミクロフィラリア)を少なくしたり、
アレルギー症状を軽減させて安全にフィラリア症の治療を行うことができると言われています。


 春になり蚊が多くなる季節です、フィラリアの予防をしっかりしていればほぼ100%防げます、
わんちゃんねこちゃんをフィラリアから守るためにちゃんと予防してください。