ならしの動物医療センター

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report 症例報告

犬の肥満細胞腫

2026.05.05

 本日は、犬の肥満細胞腫に関してです。
肥満細胞腫は、犬の皮膚腫瘍中20%を占めて最も多く、犬の悪性腫瘍の中でもよく遭遇する腫瘍です。
発症の平均年齢は8~9歳ですが、若い犬でも認められることもあります。

ほとんどが皮膚に発生し、まれに脾臓や消化器、会陰部など生殖器から発生することもあります。
腫瘍細胞にはヒスタミンやヘパリンと呼ばれる生理活性物質が含まれ、何かしらの要因により
脱顆粒という現象が起こることがあり、腫瘍周囲の紅斑、膨疹が見られることがあり、時に胃・十二指腸潰瘍に伴う
消化管出血、貧血、黒色便やアナフィラキシ―を引き起こす事があります(ダリエ徴候)。
予後や腫瘍の挙動などは、肥満細胞腫のグレードや悪性度、遺伝子変異に大きくかかわってきます。

皮膚肥満細胞腫に関しては基本的には切除が第一選択であり、CT検査などにより手術計画を立て、
リンパ節転移の評価をしたうえで可能であれば切除します。
切除後の残存病変が疑われる際には放射線療法、
また腫瘍の悪性度が高い場合の術後の補助療法として抗癌剤、分子標的治療薬などが選択肢として挙げられます。



獣医師 古田