習志野動物医療センター りょう動物病院

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diagnosis 診療案内

お知らせ

内科アドバイザー

藤野 泰人(ふじのやすひと)
藤野 泰人(ふじのやすひと)
  • 東京大学大学院獣医学専攻博士課程修了
  • 南カリフォルニア大学医学部病理学研究室研究員
  • 東京大学獣医内科学研究室・付属動物病院センター教員
  • 浦安中央動物病院 医療ディレクター

腫瘍内科

多発性骨髄腫

血液のがんの一つです。
形質細胞という白血球が異常増殖する病気で、造血障害による感染症や貧血や出血傾向、破骨細胞の活性化による骨の融解や骨折、 時には高カルシウム血症や高タンパク血症による血液異常も引き起こします。

通常は画像検査・血液検査・タンパク検査・尿検査を組み合わせて診断します。
また、CT検査により骨融解が明瞭に確認できます。
診断後、主に抗がん剤による化学治療を行います。

肥満細胞腫

1枚目の画像は無菌状態で培養したリンパ球を回収しているところです。
2枚目はこの症例の猫にリンパ球を投与している様子です。

肥満細胞腫とは肥満細胞という免疫に関わる細胞の腫瘍です。
多くは皮膚に発生し、犬では悪性のがんとされています。

この症例は猫ですが、猫でも全身に転移が認められる事があります。
今回は手術にて皮膚の腫瘍とリンパ節を外科的に摘出しました。

摘出したリンパ節には初期の転移病変が発見された為、リンパ球活性化療法を行いました。
現在は転移や再発もなく、元気に過ごしています。

犬の肥満細胞腫

本日の症例報告は、犬の肥満細胞腫に関してです。
肥満細胞腫は、犬の皮膚腫瘍中20%を占めて最も多く、犬の悪性腫瘍の中でも多いものです。
発症の平均年齢は8~9歳ですが、若い犬でも認められることもあります。

ほとんどが皮膚に発生し、まれに口腔や鼻腔および消化器粘膜から発生することがあります。
この腫瘍細胞からヒスタミンやヘパリンと呼ばれるものが分泌され、過剰にその腫瘍を触診すると、肥満細胞の脱顆粒という現象が起こり、局所周辺の紅斑、膨疹が見られることがあり、これをダリエー徴候と言います。
ひどくなると、他には、胃や十二指腸潰瘍などが起こり、消化管内出血、嘔吐、食欲不振、腹痛などがみられる。

予後や腫瘍の挙動などは、肥満細胞腫のグレードに大きくかかわってきます。
今回、針を刺し、腫瘍の細胞をとり肥満細胞腫と診断が出たのですが、詳しい事に関しては、腫瘍を切除し、病理学的組織検査を行い、判断します。

脾臓の腫瘍(骨髄脂肪腫)

脾臓はお腹の中にある臓器で、血液の貯蔵、免疫等の仕事をしています。

脾臓が腫れている場合、原因の3分の2は腫瘍で、そのうちの3分の2は悪性というデータがあります。

まずはエコーを見ながら細い針をお腹の中の脾臓に刺して細胞の検査を行います。
針を刺す前に出血のリスクがないかの検査を行います。
検査の結果今回は、骨髄脂肪腫の疑いです。

次に手術に向けて全身をくまなく見て転移がないかのチェックです。
血液検査、レントゲン検査、CT検査、心臓の超音波検査を行いました。
脾臓腫瘍で多い血管肉腫は心臓に転移しやすいので、心臓の超音波検査も必須です。

今回は脾臓以外に問題はありませんでしたので、脾臓の全摘出手術を行いました。
脾臓の腫れは腫瘍でなくても破裂のリスクがありますので、リンパ腫以外は摘出手術を行います。

詳細は病理検査待ちです。
(病理検査がでました。術前検査での仮診断どおり骨髄脂肪腫でした。)