習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

顔面神経麻痺

2017.12.14

ご飯がうまく食べられない。
お水も上手に飲めずヨダレが出ている。

11歳のワンちゃんです。

4日前には左眼の瞬膜が出ていたそうです。
瞼を触って見ると瞬きが上手く出来ません。

耳の穴をくすぐると
右はパタパタ動かしますが左は動きません

左の下唇はだらりとしています。


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右と比べてみましょう

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左側の顔面神経麻痺です。

左右の上唇を比べてみましょう。

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一見、右の上唇が麻痺して垂れ下がっているようですが
実は左の上唇が麻痺して筋肉の拘縮をおこしているのです。

顔面神経機能不全は末梢の顔面神経(7番目の脳神経)の疾患によるものです。
・中耳炎/内耳炎
・手術あるいは外傷
・中耳や内耳の腫瘍
・甲状腺機能低下症
・重症筋無力症
などによって引き起こされますが

最も多い原因は特発性(原因となる疾患が無い事)と報告されています。
犬の顔面麻痺を調べたら75%が特発性だったとの研究もあります。

特発性と診断するためには他のすべての原因を除外する事です。