習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

顔面神経麻痺

2017.12.21


このわんちゃんのお顔は左右非対称に見えていますが顔面神経麻痺の症状です。

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顔面神経麻痺とは、顔面神経に障害が生じることで顔面表情筋に麻痺が起きる病気です。

犬の場合、顔面神経麻痺の7割以上が特発性顔面神経麻痺と呼ばれるもので、
原因不明で起こる顔面表情筋の麻痺です。

発病は、5歳以上の成犬に多いです。

症状は食事をボロボロとこぼし、上手く食べられなくなったり、
口からよだれが垂れるというような症状が出てきます。

瞬きが出来なくなるため片目が露出性のドライアイになったりもします。
この写真のように筋肉が弛緩しだらんと片側の顔が落ち込んだりもします。
麻痺の症状は左右いずれかに出るケースもあれば、両側に出るケースもあります。


顔を正面から見て観察すると、瞬きがし辛くなっていたり、
唇が垂れ下がっているというような顔面の変化が見られます。


特発性麻痺以外の原因として、中耳炎、甲状腺ホルモン疾患、耳道のポリープや腫瘍、
脳疾患、耳道などの外科手術などが挙げられます。

その鑑別のため時にはCTやMRIなどの高度画像診断が必要になる事もあります。


特発性の場合は通常3~6週間、時には数か月を要することもありますが改善が見られることも多く、
自然治癒も期待できます。まれに一部の麻痺症状が残ったりすることもあります。