血液塗抹検査、血液バフィーコート塗抹検査
血液検査の1つに白血球百分比があります。
血液中の白血球には5つの種類(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)があります。
スライドガラスに血液を薄くのばし染色してそれらの数や形態を観察します。
これを血液塗抹検査と言います。
白血球数によって100-200個の白血球を数え5種類の%を出します。
例えば「好中球70%、リンパ球24%、単球5%、好酸球1%」とかね。
実はこの何%かは意味をもたないのです。大切なのは実数です。
ネットで探すと「犬の好中球は50-70%」などと書かれている記事もあります。
じゃあ「好中球が40%は低いの?」となれば答えは「白血球数が普通なら低めだね」となります。
全体の白血球数が幾つなのかによって「40%」の意味は違ってくるのです。
白血球数が5000個/マイクロリットルなら40%は2000個。これは少ないです
白血球数が30000個/マイクロリットルなら12000個です。これはやや多めです。
これも普段の元気な時の数によって意味が変わってきます。
普段、好中球数が3000個なら12000個はすごい増加ですし
いつも10000個ある子なら12000個でもあまり意味のある増加ではないかも。
昔は体調が悪い子の血液は全例それらを実際に数えて算出していました。
今は一般状態の良い子の検査でも全自動血球計算機が2分くらいで出してくれます。
そこで赤血球数、白血球数、血小板数に異常がある時に確認するために塗抹標本を作るようになりました。
貧血時に赤血球の形態をみたり、血小板数が低いときに血小板の形態をみたりするのです。

特殊な血液塗抹検査にバフィーコート塗抹検査があります。
バフィーコートとは血液を遠心分離すると重い赤血球が沈み、上澄みとして液体である血漿がたまるのですが
その間に赤血球より軽く、血漿より重い白血球や血小板などの層ができます。
この薄い層をバフィーコート(buffy coat)と呼びます。

白血球濃度が高いので好酸性に染まり血液塗抹標本より青くなります。
「白血球や血小板などの層」この「など」に異常な細胞が含まれます。
異常な細胞とは本来血液中にない細胞のことで腫瘍細胞などです。
白血病、リンパ腫、肥満細胞腫、悪性組織球腫などで標本中に腫瘍細胞が見つかると全身に腫瘍が広がっていると考えます。
あまり見つけられることは無いですが固形癌で見られる場合は遠隔転移の過程と考えられます。
いづれも早急に積極的な抗腫瘍療法が必要です。
獣医師 高橋
