習志野動物医療センター りょう動物病院

習志野動物医療センター りょう動物病院

report 症例報告

脂漏症

2017.12.21

犬の脂漏症は、慢性角化(皮膚の新陳代謝)異常および皮脂腺の分泌機能変化により発症します。

脂漏症には基礎疾患が関与していることも多く、
代謝性疾患(甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)、栄養障害、消化吸収障害、
内部および外部寄生虫症、アレルギー性疾患、皮膚糸状菌症、一部の自己免疫疾患などがあります。


また若齢で発症する子は体質による脂漏症もあります。


あぶらやフケが出ることにより、そこに細菌や真菌(マラセチアなど)が住みつき、
二次的な感染症を引き起こすことも多々あります。


下の症例は脇の下、肘、手首、首の下など皮膚のしわが寄るところに皮膚炎を起こし、
皮膚が分厚く、象の皮膚の様にシワシワ・ゴワゴワになっていて、強い痒みを生じていました。


IMGP0027


皮膚の表面に何が起こってるかを検査してみると・・・


50

ボウリングのピンのような酵母様真菌であるマラセチアがいたり・・・


52

細菌や白血球も認められたため膿皮症も生じていました。

それぞれ病原体に対する対処とともに脂を除去するシャンプーや
抗菌もしくは抗真菌成分を配合したシャンプーも効果的かと思われます。

特にこの時期悪化することが多いので、皮膚がベタついているわんちゃんは注意が必要です。