異物誤食(胃切開)
2025.05.19
今回の症例は異物を誤食してしまったネコちゃんの症例です。
わんちゃんも誤食をしてしまう事は多いのですが、ねこちゃんも誤食することはあります。
ネコちゃんは比較的音のするものを好んで咥えたり飲み込んだりすることがあります。例えばビニール袋やペットシーツなどです。
ほかには紐のようなものを誤飲することもあります。毛糸やおもちゃについている紐だったりです。
今回の猫ちゃんは以前からマットのゴムの部分やスポンジなどを齧ってはのみこんだりすることが多くあったようです。
急な頻回の嘔吐、それに伴い食欲元気の低下を認め来院されました。
来院時元気はなく、以前からの誤飲の話もあったため精査を実施しました。
血液検査ではリパーゼという数値が高くなっており、超音波検査では胃内に液体が大量にたまっており、胃の先をみていくと胃の出口もしくは十二指腸に異物を疑う所見を認めました。
稟告を含め異物による閉塞を疑い、同日にまず内視鏡検査を実施致しました。
内視鏡を進めると胃の出口(幽門)の先に何か異物のようなものが確認できました。

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そのまま十二指腸に進んでいくと異物が十二指腸の部分で閉塞してしまっており、鉗子で挟んで取り出そうとしても完全にその場所で詰まっており動きませんでした。

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そのため、そのまま飼い主様とご相談の上、開腹手術を実施し、異物は固形物で奥に引っかかっていたりしている様子もなかった為、胃にどうにか戻し、胃切開を行い異物摘出を実施致しました。
猫ちゃんだとこういうケースは多くはありませんが、皆さん誤飲にはくれぐれもお気を付けください。
獣医師 田中