習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

猫免疫不全ウイルス感染症

2017.12.21

 本日の症例報告は、猫免疫不全ウイルス感染症は、猫に免疫不全を起こさせるため、
猫エイズと呼ばれることがあります。

 感染初期は、特徴的な症状はなく、体重減少や口内炎など、気にならない程度の症状から始まる。
比較的軽い感じの疾病が治らなかったり、重篤化して感染に気付くことが多い。
末期は著しい体重減少と免疫不全による日和見感染のために命を落としてしまう事もあります。



 猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染して1カ月ほどたつと、発熱、下痢、
リンパ節の腫れなどの症状が現れるようになります。
このような期間を「急性期」といいますが、一過性で症状が軽いため、
飼い主に気づかれないことが多いです
急性期が数週間から数カ月続いた後には、症状がまったく見られない「無症状キャリア期」に入ります。
無症状キャリア期は数カ月から数年続き、多くの猫はそのまま無症状キャリア期を維持し、
通常、もしくはやや短めの寿命を迎えます。


 猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)に対する有効な治療法はありません。
口内炎や皮膚炎といった症状があれば、抗生物質や抗炎症薬の投与、
輸液などによる対症療法を行って、生活の質の改善を行います。

また、ほかの感染症にかからないように室内飼育を行い、ストレスの少ない生活をさせ、
栄養バランスのとれた食事を与えることも家庭での看護として重要です。