習志野動物医療センター りょう動物病院

習志野動物医療センター りょう動物病院

report 症例報告

猫の鼻腔内リンパ腫

2023.11.22

今回の症例は鼻腔内高悪性度リンパ腫の猫ちゃんです。

猫の鼻腔内腫瘍でリンパ腫は最も一般的であり、犬では非常にまれです。臨床症状として鼻出血、鼻汁、くしゃみ、呼吸異常、顔面の変形、眼球突出、鼻腔内腫瘍が隣接する脳組織へ浸潤してしまうと神経症状を呈します。

治療方法は原発部位に限局した症例であれば放射線療法が第一選択になりますが、転移症例や放射線治療が不適応となる場合には化学療法での治療になります。

 

今回の猫ちゃんは主治医で化学療法治療を受けていましたが、経過が良くないためご紹介を受けた症例です。当院にて放射線照射と多剤併用抗がん剤治療を併用した治療を開始しました。

 

治療前のCT撮影画像です。こちらは頭部の画像であり、片側の鼻腔内に腫瘍病変が充満しています。

当院にて化学治療と放射線照射を2回行った後のCT撮影画像です。

片側の鼻腔内の腫瘍病変領域が縮小しています。

放射線照射を2回行い、くしゃみ、鼻水、鼻出血の症状が消失したため、多剤併用抗がん剤治療に切り替えました。

現在、リンパ腫は緩解し経過良好です。

根本