ならしの動物医療センター

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report 症例報告

猫の腸管閉塞

2025.11.21

本日の症例は、腸管に異物が閉塞した猫の症例です。

2-3日前から頻回の嘔吐、それに伴い食欲や元気消失を主訴に来院されました。

身体検査で軽度脱水、全身状態は悪く、元気もありませんでした。

血液検査では、炎症の数値が高い以外は異常ありませんでしたが、レントゲン検査で小腸に異物を疑うような影を確認。

超音波検査を実施すると、腸の蠕動運動はほとんど認めず小腸内に液体貯留を認め、腸の一部にシャドーをひく異物を疑う所見あり。

異物による腸閉塞を疑い、入院。症状からも腸閉塞を起こしてから最低2日は経過している可能性もあったため、早めに手術を行う予定をたてました。

念のため、術前にCT検査を実施すると同じ場所に異物を疑う所見を認めた為、試験開腹を実施。

 ←腸の写真です。

胃から腸をすべて確認し、小腸の一部に異物を確認。

 ←こちらが異物が詰まっている腸。

腸を切開してみると、マットの一部と思われるものが閉塞しておりました。

  ←異物の写真です。

その後、経過良好の為、退院。

猫の異物による腸閉塞は犬に比べると多くありませんが、予想しないものを飲み込んで閉塞してしまうリスクもあるため注意しましょう。

獣医師 田中