ならしの動物医療センター

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report 症例報告

猫 針の誤食

2025.11.23

本日の症例は縫い針を誤食してしまったねこちゃんについてです。

異物を誤食した場合、治療法は大きく2つに分けられます。

まず1つ目は食道および胃内に異物が存在する場合です。催吐処置が治療の一つとして挙げられます。しかし閉塞している場合や先端のとがったものや薬物など吐かせることで通り道を傷つけてしまう可能性がある場合には内視鏡もしくは胃切開による異物除去が用いられます。

2つ目は異物が胃を通過している場合です。自然に排出されるのを待つことが多いです。しかし異物の先端がとがっているあるいは紐状または伸縮性があるものの場合、腸穿孔や腸閉塞などのリスクがあるため腸切開による異物の除去が必要になることがあります。

本症例はねこちゃんが3~4cmほどの針を飲んでしまったということでご来院されました。

レントゲン検査において腹腔内に針を認め、無麻酔CT検査により小腸内に存在することが分かりました。そのため入院下で毎日レントゲン検査を行い、針が腸に刺さる可能性がある場合手術による除去が行えるよう観察することになりました。

入院2日目には結腸の半分まで進み入院3日目には結腸の終わりまで進んでいました。本人の体調も問題なく針が腸に刺さる可能性も低くなったため、このまま自然排泄を待つことになりました。そして入院4日目に無事便と共に排出されました。

これは実際に排出された針の画像です。糸の付いた縫い針でした。

わんちゃんもねこちゃんも誤食した可能性がある場合病院に一度ご相談ください。

そして誤食することのないよう物や食べ物の置く場所には十分にご注意ください。

獣医師 團野