習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

犬の白内障

2017.12.21

白内障とは、水晶体の一部や全体が白く混濁した状態をいいます。
犬の白内障で最も一般的にみられるのは、6歳以上の犬の老齢性変化によるものです。
年齢を重ねるに伴い、徐々に症状が進行していきますが、視覚を失わずに済むこともあります。

そのほか糖尿病などの他疾患によって急速に進行する場合や、
目の重度の外傷によって発症することもあります。
進行性網膜萎縮などの網膜疾患に続発することもあります。


白内障

目に光を正面や斜めから当て水晶体が白く濁っていないか調べる事で診断できます。
検眼鏡やスリットランプ(細い光を目にあて、眼球の断層を観察します)が使用されます。

治療は、内科療法と外科療法の2つがあります。
薬物療法(目薬)は、主に白内障の進行を遅らせることを目的に行いますが、
決定的に混濁が無くなる事は残念ながら稀です。

手術療法は眼科の専門医で行われ、眼底などの機能が正常である場合に可能です。
水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを目に入れます。

核硬化症

実は、白内障と同じように、目が白く見える症状に核硬化症というものがあります。
水晶体の中心核が老化とともに白く見えるようになってくるもので、
これ自体で視力を失うことはありませんので、通常は治療の必要はありません。

前述したスリットランプで光をあて、水晶体のどの部分が白濁しているのかを見れば診断できます。

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