習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

気管虚脱

2022.08.27

本日は気管虚脱の症例です。
正常な気管は輪状の軟骨で支えられていて背側は筋肉と結合組織からなる膜性壁になっています。

気管虚脱は、その気管の強度が呼吸に合わせて保てずに扁平(ひらべったくなり)になり空気通り道が狭くなることで、
ガチョウの鳴き声のようなガーガーもしくはヒューヒューといった呼吸音を呈します。
また、重症化すると少しの運動でも疲れやすくなったり、時には呼吸困難やチアノーゼ、失神などを認めることがあります。
気管虚脱の原因は遺伝的な要因が関連していると言われています。
治療は興奮やストレスが症状を悪化させることがあるので涼しい環境で安静にしたり、
症状が強い時は、咳止め薬や気管支拡張剤、二次感染や二次的な炎症・浮腫を起こした場合は抗生剤やステロイド剤を使用することもあります。
また体重制限や首輪を胴輪に変更するなどをして気管への刺激を軽減させたり、サプリメントなどを使用することもあります。 
内科的に管理が難しい場合は気管強度を確保するために手術で気管の内側もしくは外側から補強する手術を行います。

普段より呼吸が苦しそうもしくは変な音が鳴る、むせる事が多いなどの症状が気になるわんちゃんは早めにご来院ください。


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獣医師 古田