歯肉腫瘤
2025.08.30
本日の症例は、歯肉腫瘤を確認した症例です。
一般状態は問題なく、食欲元気もあり。当院のトリミングに来院された際、身体検査で確認できました。
出血もなく、食事も問題なく食べれてはおりますが、黒色の歯肉腫瘤で、大きさも比較的大きかった為、精査をお勧めいたしました。
後日、血液検査や頭部胸腹部レントゲン検査、腹部心臓超音波検査などを実施し、全身麻酔下での精査のリスクも高くなく、転移を疑う所見は認められませんでした。
高齢でしたが、飼い主様とご相談の上、全身麻酔下で精査を実施いたしました。
←下顎犬歯の後ろにある黒色の腫瘤
CT検査を同時に実施し、骨浸潤や骨破壊像は認めませんでしたが、肺に複数小さい影はみつかりました。
肺の結節病変は細胞診検査などは出来ないほどのサイズで、転移の可能性も完全に否定はできません。
←歯肉腫瘤を出来るだけ切除し、生検を実施
歯肉腫瘤を切除できる範囲でできるだけ切除いたしました。
←切除したあとの歯肉
切除した組織を病理検査に出したところ、悪性黒色腫でした。
切除できる範囲で切除している為、今後拡大切除手術(下顎骨切除)のご提案や、肺の影も気になるため定期検査などインフォームしております。
獣医師 田中