習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

上皮小体摘出術

2017.12.22

本日の症例はカルシウムの値が高いワンちゃんの治療のお話です。

http://blog.livedoor.jp/ryo_petclinic/archives/72927418.html
↑前回のブログ
原発性上皮小体機能亢進症と診断しました。

治療は原発性、腎性、栄養性それぞれで異なります。


原発性の場合は、外科治療で上皮小体の切除手術を行います。


 上皮小体は、甲状腺の周りの左右2つずつありますが、
この4つとも大きくなってしまっている場合は、1つだけ残して摘出します。


腎性の場合はリンを制限した腎臓病の療法食を与えます。

それでも高値の場合はリンの吸着剤の投与を行います。

栄養性の場合、一般的にはカルシウムとリンのバランスが
適切なペットフードメーカーの総合栄養食を与えます。
(現在は良質なペットフードが市販されているため
栄養性上皮小体機能亢進症の発生はまれと言われています。)


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ピンセットの先が上皮小体です。


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無事に摘出できました。

術後カルシウムの値は正常範囲に近づいてきています。
必要に応じて、カルシウム投与などを行い、体内のカルシウム濃度を調整します。

現在、病理組織学的検査の結果待ちです。