ならしの動物医療センター

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report 症例報告

再生不良性貧血

2017.12.22

本日の症例は、食欲が落ちて、徐々に体重が減ってきた猫ちゃんです。

1年前ごろに比べると、体重が半分に減ってしまいましたが、
嘔吐などの消化器症状もなく、他に気になる症状はないとのことでした。


全身の精査を行ったところ、血液検査で貧血、血小板減少、
白血球(好中球)減少がみられました。(汎血球減少)


猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルスは陰性。

レントゲン検査や腹部超音波検査を行いましたが、内臓器官には異常なく、
こういった血液の異常をきたすような異常はありませんでした。


最初の検査の段階では、軽度の貧血だったのですが、
原因が不明だったので、診断のため詳しい精査を行うことになりました。


全身のCT検査では、異常所見は認めれらず、
上部内視鏡検査でも肉眼所見は異常なく、胃腸の組織にも異常はありませんでした。


同時に、骨髄検査を実施したところ、
骨髄が脂肪髄(骨髄が脂肪に置き換わってしまっている状態)、骨髄の低形成と診断されました。


HB062242


骨髄検査の塗抹標本です。骨髄の細胞充実度は重度の減少、
赤芽球系、骨髄球系は共に重度の低形成を示しております。


以上の検査結果から、原発性の再生不良性貧血と診断して治療を行っております。


治療内容としては、ステロイドやシクロスポリンなどの免疫抑制療法、
造血因子の投与やダルベポエチンなどの投与、全血輸血による対症療法になります。

現在、免疫抑制療法を開始し、数回輸血を行っており、貧血、
白血球や血小板は改善してきておりますが、
猫ちゃんの一般状態は良好、食欲、元気もあり落ち着いております。


しかし、この原発性再生不良性貧血は、免疫抑制療法を始めて、
反応してくれるまでに、数カ月~半年ほどかかるので、長期的な治療が必要になってきます。