ならしの動物医療センター

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report 症例報告

子宮蓄膿症

2025.08.25

本日の症例は食欲廃絶・元気消失・発熱が認められた高齢の未避妊のワンちゃんです。

体温が40℃、血液検査ではCRPという炎症マーカーが高く、レントゲン検査や超音波検査などの画像検査では卵巣の嚢胞状の腫大、子宮の腫大と併せて内腔にドロドロの液体が貯留している所見が認められました。

経過と検査所見から子宮蓄膿症と診断し、抗生剤や点滴や合併症を予防する治療を開始しましたが、
根本的な治療(外科手術)が行われないと命に関わる可能性が高いため、翌日に卵巣および蓄膿子宮を外科的切除しました。

 

 

 

 

 

実際の子宮は重度に拡張し、卵巣も5cm大に腫大していました。
内部の液体を検査すると白血球と細菌が大量に認められたので、子宮蓄膿症と確定しました。
しばらく術後の集中管理を必要としますが、術後合併症を防げれば元気に退院できるはずです。

 

獣医師 古田