習志野動物医療センター りょう動物病院

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report 症例報告

回虫症

2017.12.20

本日はネコの回虫症をご紹介します。
本症例の子ネコちゃんは鼻水が出るとの事で来院されましたが、
まだ1ヶ月齢の子ネコちゃんということもあったので糞便検査の方も実施させて頂きました。

その結果から、便中に回虫卵とコクシジウムのオーシストが確認されましたので、
鼻水に対する治療と一緒に駆虫の治療も開始しました。

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回虫症は感染していても症状が現れない「不顕性感染」がほとんどです。
しかし、子ネコに多数の成虫が寄生した場合は、お腹の異常なふくれ、吐く息が甘い、
異嗜(いし:食べ物ではないものを食べること)、元気がない、発育不良、やせる(削痩)、
貧血、皮膚のたるみ(皮膚弛緩)、毛づやの悪化、食欲不振、便秘、下痢、腹痛、嘔吐を起こします。

また、回虫は人にも感染し、内臓移行型と眼移行型の症状があります。
前者は発熱や全身の倦怠感、食欲不振などがあります(幼虫が侵入する臓器によって症状が異なります)。
肺では咳や喘鳴(ぜんめい)を、脳に達すればてんかん様発作の原因にもなると言われています。

後者は主な症状としては網膜脈絡炎、ブドウ膜炎、網膜内腫瘤、硝子体混濁、
網膜剥離による視力・視野障害、霧視(むし)、飛蚊(ひぶん)症などがあります。

回虫症はネコちゃんだけでなく、ワンちゃん、そして、人でも悪さをする寄生虫ですので
若いワンちゃんやネコちゃんを飼われた場合などは一度検査することをお勧めします。